「あっ、始まる!」
金本さんの言葉にグラウンドを見ると、整備が終わり引き上げていく係員達と各々の守備位置につく選手達がいた。
後半戦も金本さんのディープなトークは止まらない………と思いきや、意外にも静かに観戦していた。
というか、祈っていた。
ピンチの時やチャンスの時、胸の前で右手と左手を握り合わせて熱い視線をグラウンドに向ける。
ピンチな場面を乗り越えると、いかにその時のピッチャーが素晴らしい投球をしたか。
いかに守備が素晴らしかったか生き生きと語り出す。
チャンスをものに出来なかった時は、失策の原因を悔しそうに語り出す。
…………ん?
《語り出す》という時点で、静かではないな。
訂正。ディープな話ではないが、熱く語りながら観戦している。
「あと一本が出ないんだよね~」
金本さんの言う通り。
得点圏にランナーは出すが、あと一本が出ず得点に繋がらない。
