彼女は予想の斜め上を行く



「ディープだ…。ディープすぎる…」

俺は、思わず心の内をポロリと漏らす。

試合は、四対五。

金本さんが異常な愛を向けている球団は、負けている。

今は五回の裏の攻撃が終わり、一旦休憩時間になった。

グラウンドでは休憩中の選手達に代わり。

球団のキャラクターであるオレンジ色のウサギの着ぐるみ達が、パフォーマンスを繰り広げている。

金本さんは五分ほど前に、「後半戦の為にパワー蓄えてくる!」と言って、どこかへ消えた。

いや。あんた、どう見てもパワー有り余ってるだろ!とは、突っ込めず。

また彼女について行く元気もなく、俺は一人残ることにした。



金本さんの夢中になる話は、ディープ過ぎる。

惚れた女が生き生きと話しているから耐えられるのであって、これが金本さんでなかったら胃もたれを起こすレベルだ。