彼女は予想の斜め上を行く




「勇人は、打率が三割四厘。普段は左利きだけど、プレー時は右打ち、右投げなの。去年まで打順は一番だったけど、今年からは三番でね」

俺、野球全然わからないから金本さんにほんの少し解説をお願いした。

「高卒でドラフト一位入団して、今六年目。あっ、名前だけじゃなくて年齢も長野君と一緒だね」

初めは、俺がよくわからないプレーを軽くわかりやすく説明してくれた。

だけど、過剰で異常な野球愛がヒートアップして来たらしい。

「入団して二年は、背番号が61だったの。これは、2006年のドラフト1位ってことが由来で」

気付けば、選手の打率、防御率、利き腕、出身地、血液型、プレースタイル、性格、豆知識。

なんでもござれな彼女は喋り続ける。

好きなと……いう言葉で片付けるべきではないが、とにかく好きなことを一生懸命語る金本さんを当初は純粋に可愛いと思った。

だが、話を聞くのにもエネルギーが必要なわけで……。

正直ぐったりな状態に俺は陥っていた。