彼女は予想の斜め上を行く

言ってからハッとした。

金本さんは、俺の気持ちなんてとっくの昔にお見通しだと思う。

それでもまだしっかり伝えたわけではない気持ちを嫉妬に任せて言うのは、なんだか違う気がしていた。

金本さんを直視出来ず、目の前のグラウンドをひたすら見つめていた。

そういえば、スタメン紹介は既に終わったみたいだ。

各々の守備ポジションにホーム側の選手が立っているのは、スタメン紹介時から同じだ。

だが先程まで誰も立っていなかったバッターボックスには、ビジター側の選手が立っていた。



「あっ、始まるよ!」

金本さんの弾んだ声に反射的に彼女を見る。

待ちに待った瞬間に、目を輝かせていた。

なんだか俺の告白なんて、なかったかのような態度だ。

それは勢いで言った俺には、ありがたいような…そうでもないような……。