彼女は予想の斜め上を行く

作品の素晴らしさに。栄誉ある受賞に。驚き魅了された。

だけどそれ以上に。

「………………っっ」

ある物に。ある文字に。視線は釘付けになり、声すら出なくなってた。

花嫁花婿の人形の手前。一枚の白いプレート。流れるような筆記体で確かにこう記されていた。


《Happy Wedding Hayato&Aoi》


「それがあたしの気持ち」

顔なんて見なくても誰かわかる。

「来てくれて、ありがとう」

近くで聞こえる透き通るような声の主が、更にこちらに歩み寄り隣に並ぶ気配を感じた。

「あたしね、今回ある人に見てもらいたくて頑張ったんだ。
その人すごくヘタレでビビりなんだけど、行き詰まった時に励ましてくれたり。企画案を通してあたしに自信と勇気をくれたの」

なぁ…。気付いてる?

君の紡ぐその言葉が…いとおしそうに話すその口調が…。俺に期待させてること。気付いてる?

君の《気持ち》に期待してしまう俺に気付いてる?