彼女は予想の斜め上を行く




「金本さん?」

返事の代わりに聞こえたのは、スースーという寝息の音。



無防備な彼女を見てると、
触れたくなる。
抱き寄せたくなる。
キスしたくなる。

「我慢だ。我慢…」

俺の胸にもたれ掛かって気持ち良さそうに寝ている酔っ払いを見て呟く。

とりあえず店を出たくて、金本さんを起こそうと試みる。

「金本さん。起きて下さい」

「ん~…」と言って身動ぎするだけならいいけれど、余計に引っ付いてくるから質が悪い。

カクテル一杯でここまで爆睡出来るのもある意味すごい。

仕方がないと諦め、店員を呼んで会計を済ませた。

店員が去ったのを確認して、金本さんを抱き上げる。

「かるっ…」

華奢で軽い。

そんな彼女と共にタクシーに乗り込み、金本さんのアパートへ向かった。