彼女は予想の斜め上を行く




……それはそれで、虚しくね?

切ない事実に気付き、勝手に項垂れる。

「うわ~。手ベタベタ~」

俺を悩ます酔っ払いは、髪につけたワックスが手に付着したらしく不快そうにしてた。

「キャッシュバックしてやるぅ~」

俺のワイシャツの胸あたりでその手を拭った。

「うわっ!おしぼりで拭いて下さいよ!」

「いいじゃ~ん。ケチケチすんなやぁ」

既にワックスは落ちていそうなのに、ずっと両手でペタペタ触ってくるからおかしいとは思ってた。

「なんかさぁ…ドームでも思ったんだけどさ~」

金本さんの言葉に、サヨナラ勝ちして涙する斜め上向き女を胸に抱き寄せた過剰で異常なデートのことを思い出す。

「長野君のここ。なんか落ち着く…」

俺の胸にもたれ掛かると、瞳を閉じながら言った。

「だからかなぁ……。眠くなってきたぁ~……」