彼女は予想の斜め上を行く

都会のOLのように小綺麗で。OLよりも洗練されているように見えた。



「予約した長野です」

店内に足を踏み入れ、店員に伝える。

店員に案内された席を見て絶句した。

黒い格子に囲われた小さな個室。カウンターの目の前に設置された二人掛けの長椅子。

所謂、カップルシートというやつ。

「ご注文お決まりになりましたら、お呼び下さい」と言って店員は去っていった。

「……長野君、ここ予約したの?」

痛い奴ね…という眼で金本さんが俺を見る。

「いやっ!俺じゃなくて、遼生がっ……」

俺は慌てて釈明しようとする。

「……遼生?」と首を傾げる金本さん。



昨夜のこと。

肉食系女子の奇襲作戦の原因であるお喋りな美容師の自宅に、クレームをいれに行った。

遼生は、粘着質な肉食系女子の質問に根負けして、俺の勤務先のみ教えたらしい。

チャラにする代わりに、俺は遼生にオススメの飲み屋をおしえてもらった。