だけど……。

「俺、金本さんのこと好きなんで」

結局ドサドサ紛れに告白してる自分に、とことんダメな奴だと痛感させられる。

それでも俺は、敵を見据えて話続けた。

「諦めませんから」

「長野君……」

そんなに切なそうな顔をするのは、やっぱり迷惑だから?

それとも……少しは俺、期待してもいいのかな?

変に勘繰るぐらい、彼女は本当に切なそうな顔をしていたんだ。

「今日のところは、引きます。でも俺、絶対諦めませんから」

そう言って、金本さんと中島先輩の横をすり抜け駅を後にした。



ヤバい……。

これって、宣戦布告ってやつ?

俺が先輩に?

絶対、勝ち目ないって……。

今更だけど、俺って無謀…。

だけど、仕方ないよな?

金本さんのこと好きなんだから。