「……。
人に聞く時は、自分から言うのが礼儀ってもんじゃねぇの?」
「えっ、俺?
俺はファイ・アクセル
さっき言ったようにあそこの街に住んでる」
ニカッと歯を見せて笑うアクセルにハイドは思わず問いかけた
「なぁ、
なんで笑ってられんの?
大切なひとが、たくさん亡くなったんだろ?」
ハイドの表情に侮辱の色はなく、ただ単純に不思議だ、という表情だ
それに気づき、アクセルは答える
「だって、俺が笑わなかったら、あいつも笑えないだろう?」
「…ふーん。」
まるで興味がないように答えたが、その口元には満足げな笑みが浮かんでいる
「で?」
「ん?
なんだ?」
「なんだ?じゃねぇよ!
な・ま・え!
お前の名前は?
ここで何してんの?」
「あぁ。
俺はゼノア・ハイド
世界中をまわって歩いてる
そこに街が見えたから行こうと思ってたところだ」
ハイドが無表情のまま答える
「へーっ
旅してんのか!
なんで?」
「そんなことどうでもいいだろ。
それより、お前は街に戻るのか?」
「あぁ。
お前は?
って、もう来る意味ないか…」
「いや、俺はもう目的地をあそこに決めてる
そこが何だろうが知ったこっちゃない」
「お前、見た目によらず、自由っつーか…、適当っつーか…」
「何か言ったか。」
ハイドが剣の柄に手をかける
「めっそうもございませんっ」
「早く行くぞ」
完全に放置だ
「あっ、待て!
歩いてくよりこっちのが全然早いから!」
アクセルはピーッと指笛を吹いた
