「今日の日直誰だけー?」
-ドキッ-
「は、はい!私!」
やはり意識してしまう。
「あぁ、河浦。黒板消さないと。」
「あ!そうだ!忘れてた!ありがとう!」
本当にすっかり忘れてた。
日直でよかった。
今になって思っちゃう。
私河浦澪(カワムラミオ)
スカートが特別短い事もなければ
髪の毛を括っているヘアゴムがキラキラしている事もない
地味といえば地味かもしれない。
派手といえば派手なのかもしれない。
違う。
周りの友達が派手だから
スカートが少し長く見えるだけで
ひざ上はある。
周りの友達が嫌いなわけでも
好きなわけでもない。
でも
好きな人もいる。
キライな人だっている。
特別でもなんでもない。
ただの平凡な中学3年生。
「河浦って抜けてるとこあるよなぁ(笑)」
「ぬ、抜けてないし!覚えてたし!」
いましゃべっているこの人は
村地雅人君。(ムラヂマサト)
クラスメイト。
・・・私の好きな人。
「さっき忘れてたって言ってなかったっけえ?」
「ず、図星です・・・。」
「早く消さねーと間に合わねぇぞー。」
「あ!ありがと!」
「おーよおーよ。」
この世界だけはキラキラして見えた。