「私のことが……?」 思いもよらぬことを言われ、エーテルは面(おもて)を上げる。 「君が、私と同じ魔術の使い手だからなのでしょうか。 それとも、君と私は特別な何かで繋がっているとでもいうのか……。 なぜだか分かりませんが、君が発するオーラから感じ取ることができるのです。 消したいほど悲しい、君の中に潜む思い出が……」 エーテルは目を見開き、空に向かって顔を上げる。 こうしていないと泣いてしまいそうだった。 目頭が熱くなる。