黒水晶


自然の神達を元通りの状態にする方法はあるはずだ。

それを突き止めるため、イサは、できることならマイを巻き込まず一人で旅立ちたいと考えていた。

ガーデット帝国の外に出れば、魔物に襲われる危険性は高い。

ただでさえ、魔法使いというだけで、マイは様々な組織に狙われやすい立場にある。


かといって、イサ不在のガーデット城に、マイを残すわけにはいかない。

それでは、ヴォルグレイトの思うツボ。

彼の妖術に操られ、マイの能力を利用されてしまうかもしれない。


マイをずっと見守っていたフェルト。

彼にマイの護衛を頼むことも可能だろうが、彼は彼で、ヴォルグレイトの近辺を調べ回っていて忙しそうだ。


マイ護衛の任務に就いていたエーテルも、最近はルーンティア共和国のことであちこち動き回っている。