黒水晶



カーティスと話し終えたイサは、走ってマイの部屋の前までやってきた。

隙間の開いた扉の向こうから、にぎやかな雰囲気と、楽しげな話し声が聞こえてくる。

“マイと、テグレン……?”

はりつめた気持ちが少しだけ和らぐのを感じながら、イサは中に入った。

「なんだか楽しそうだな」

すると、思いもよらぬ人物がイサの前に飛び出してきた。

「イサっ!!」

「リンネ……!!

どうしてここに!?

国王の許可は出てるのか!?」

いつも部屋に閉じこもって暮らしているリンネ。

なぜ彼女が、マイの部屋にいるのだろう?

イサは驚愕(きょうがく)した。