黒水晶


ヴォルグレイトの言っていることに納得したくない。

カーティスは反論した。

「それならば、なぜ、身寄りをなくしたルミフォンド様とリンネ様を、この城に住まわせているのですか?

あなたの中に、彼女達への情けがあるのでしょう?」

「情け、だと……?

はっ、笑わせてくれる。

敵(かたき)の娘だ。

目にかけてやる価値など、ない。


生き残ったからには、この国のため、存分に働いてもらう。

そのために、彼女達をここに置いているのだ。

特に、魔法使いのルミフォンドの力は、おおいに利用させてもらう……。

魔力を持たないリンネには今のところ何の価値もないが、万が一、ルミフォンドが死んでしまった場合、代用品になってもらう。

妖術を使えば、もしかすればリンネにも魔法能力が覚醒するかもしれないからな」

「ヴォルグレイト様!!

もう、やめて下さい!!

ルミフォンド様とリンネ様は、イサ様にとってかけがえのないご友人なのですよ!?

ルナ様が亡くなってつらいのは、皆同じ……。

イサ様のことも、考えてあげてください」