黒水晶


ヴォルグレイトは勢いよく立ち上がり、手にしていた書類を細かく破り捨てた。

紙の切れ端が、静かに床に舞い落ちる……。


カーティスの心情など気にせず、ヴォルグレイトは口を開いた。

「トルコ国は、魔術師の一族。

生かしておいたら、後々やっかいだ。

ゆえに、私が滅ぼした」

「えっ……!?」

カーティスは、自分の耳を疑った。


「賢いお前なら、すぐに察すると思ったがな。

アスタリウス王国を滅ぼしたのも私だ。


あんなクズみたいな魔法使い、生かしておく理由などないからな」

「ご冗談が過ぎます、ヴォルグレイト様……!」

カーティスの声と足が震えている。

「冗談だったらどれだけいいだろうな。

でもな、紛れも無い真実。


私が、二つの国を滅ぼしたのだ。

代々伝わる、この国の禁断剣術を使ってな……」

「なぜです……!!

何を言っているのか、わかっておいでですか!?」

カーティスはヴォルグレイトにつかみかかった。