謎の敵勢力に滅ぼされたのは、アスタリウス王国だけではない。
アスタリウス王国と隣接していた、魔術師一族が統治する小国·トルコ国も、同時に滅ぼされていたのだ。
二つの国の滅亡は、世界中の人々に恐怖感を与えた。
ルナの死以来、無表情になったヴォルグレイトの顔を悲しげに見つめ、カーティスは続けた。
「トルコ国も、見るも無惨(むざん)なやり方で滅ぼされてしまって……。
一体、何者の仕業なのでしょう?
レイナス様も、ガーデット帝国に尽くしてくれた良い方だったのに、本当に残念で仕方ありません。
一刻も早く、敵の正体が分かるといいのですが……」
「レイナスは死んで当然の男だ。
魔法使いなんて、この世には必要ないのだからな」
低く冷ややかなヴォルグレイトの声色に、カーティスは目を見開いた。
「ヴォルグレイト様……。
何をおっしゃっているのです??
今の発言は正気ですか!?」
「聞こえなかったのか?
……ふん。まあいい。
『レイナスは死んで当然の人間だ』と、言ったのだ。
魔法使いの援護をするトルコ国民も、この世界には必要ない。
邪魔なだけだ」
「ヴォルグレイト様……。
一体、何を……?」
カーティスは震えた。


