麻璃華さんが亡くなって一週間。


 麻璃華さんの葬式さえも記憶にない。



 僕は麻璃華さんの出会いの事を思い出していた。



「…ヤバいですね。もうすぐ入学式の準備をしなきゃいけないのに寝坊なんて…」



 明日の準備のために早く寝ていたのに寝坊してしまった。



…―ドンッ



 麻璃華さんとの出会いはここから始まった。



 なんで蹴られてるのだろう…?



 それさえもわからなかった。



 僕は急いでただけなのに…―。



「…なにしてるのよっ!!」



 これが麻璃華さんとの出会いだった。



 ケンカがとても強いのでビックリしてしまった。


 なんてやつだ…―。



 最初はそう思った。



 でも、麻璃華さんと出会ってから目が離せなくなってしまった。



 でも、時々見せる悲しい顔の意味はまだ知らなかった。