…―病院。 先生がなにをいうのかをまっている。 でも、私はわかっちゃったんだ。先生の怖い顔や看護士さんの悲しい顔や、母親の今にも泣き出しそうな顔。 全部ぜーんぶ。悟ってしまったんだ。 もう…命はながくないんだと…。 医者にいわれてながくて高校二年か三年ぐらい。 短すぎる、寿命に母親が隠れてないているのを何度かみてきた。でも私の前ではいつも元気なお母さん。 みんなよくわかる私の病気は“がん”。