「入学式…間に合わせてくれて…」 あぁ!という顔をする。 「…あれはたまたまですよ。でも間に合ってよかったですね」 彼は頭を撫でてくれる。 心地よいリズムでポンポンと…。 そのたびにトクントクンと脈をうつ、心臓。 いつまでもこうしていたいような感じがしてくる。 それはむなしくチャイムで叶わなくなってしまった。 「あ、時間ですね!はやく戻りましょう。麻璃華さん」 「え…?覚えててくれたの…?」