コイツから逃げたのに、コイツに家出の手伝いしてもらって そんなの、ただのバカじゃなぃか。 「嘘」 「ホント」 口が開きっぱなしの私の足元にヘルメットが投げられる。 「ほら、どっかの家出令嬢のせいで時間がなぃ。 主役が2人揃って遅刻したらシャレなんねぇだろ」 そう言ってさっさと階段をのぼっていって、ラスト1段で振り返った。