あたし様の恋事情【完】

柚葉は俺の声でビクッと肩が震え、反対方向に走って行ってしまった。



「ちょっ、柚葉!」



俺は柚葉を追い掛けようと走りかけたが、



「行っちゃダメ!」



繭先輩に腕を掴まれて行けない。



無理に剥がそうとすれば出来るけど…な。



「繭先輩…」



「………何??」



「どーして、俺を引き止めるんですか…??」



どーして、柚葉の所に行かせてくれねぇの??



「……好きだから、圭人君が」



先輩は下を向き、小さく言った。