『…………待ってて欲しいって』

小夜は俯き加減になる。

が、少なくともそれは不満そうな表情ではない。

『自分が納得できる強さになったら、必ず龍太郎君の方から迎えに行くから…それまで待っていて欲しいって…』

「…!…そうかいっ、そうなのかい」

何故か我が事のように喜ぶ和音。

「ならば何も心配は要らない。無口だが、彼は約束だけは破らない男だと僕は見ている。何せ我が弟が惚れ込んだ男の中の男だからね」

さり気なく自分の弟自慢する辺りが、流石お兄様。