天神学園高等部の奇怪な面々22

レオーネと八重はというと、他の生徒達とは少し山奥に入っていた。

騒がしい川下とは違う、誰も分け入っていない木々の中。

新緑が香る。

「まだ生まれたての若芽の生命力を感じる…花王の桜達もいいけど、桜以外の植物も瑞々しくて好きだなぁ…」

胸いっぱいに青葉の匂いを吸い込むように、八重が深呼吸する。

「……」

相変わらず無口なレオーネだが、八重の言葉には賛同しているのか。

エリーを優しく抱いたまま、柔らかな笑みを浮かべている。