天神学園高等部の奇怪な面々22

まずい。

あの二人は運動神経がいいとはいえ、何の力も持たない普通の人間だ。

あの激流を脱出するような能力は何も持ち合わせていない。

「やべぇ…やべぇっ!」

必死に後を追って山道を駆け下りるスペシャルバカだが、激流の速度は如何に彼の足でも追いかけられるものではない。

「このままじゃ…雛菊達がっ!」

歯噛みするスペシャルバカ。

その時。

「任せて」

スゥッと。

まるで清流のせせらぎの如く、レオーネが横を通り過ぎて行った。