天神学園高等部の奇怪な面々22

下山の準備が整う頃には。

「いかんな…」

翡翠が頬に当たる雨粒に気付いた。

思ったよりも天気は急変しているようだ。

この分だと、じきに大雨になるかもしれない。

「急ぐぞ。雨が降り始めたら足元に気をつけろ。滑落するかもしれん」

先頭を歩きながら、翡翠は生徒達に言う。

そうでなくてもよく転ぶ運動音痴のカリナには、雨中の下山は困難かもしれない。

「ほらカリナ~♪捕まって~♪」

弾き語りつつ下山する和音。

余裕なんだか器用なんだか。