その噂は小夜達の耳にも届いているようで。

「くっっっっだらないっ!」

陰湿なイジメだの陰口だのは大嫌いなカリナが、声を大にして言う。

「黒猫の迷信じゃあるまいし、横切っただけで悪い事なんて起きないっての!どうせたまたま転んだりしたのを、レオーネのせいにしてるだけでしょ?私なんて、レオーネが横切らなくても転ぶっての!」

いやいや、それは自慢にならないから。

「それにしても酷いわね、そんな根も葉もない噂を流すなんて…言われた方がどんな気分になるか分からないのかしら…」

表情を曇らせる八重。