「レオーネさん」

朝食が終わる頃、レオーネは男子生徒に呼ばれる。

目の下にはくっきりと隈が残り、傍らに蒼黒いモジャモジャの羽のない鳥を連れている。

2年のアリトンだ。

「珍しいじゃないですか…友達のいない貴女が、この林間学校では小夜さんやカリナさん達と行動を共にしているんですね」

「…リオネは小夜達と同じ班だから」

エリーを胸に抱き、無表情に呟くレオーネ。

「それでも仲良き事は美しきかな」

悪魔の癖にらしくない事を言うアリトン。

「小夜さん達とはお友達になれそうですか?」

アリトンの問いかけに、レオーネは首を横に振る。

「無理…リオネは水の中から生まれた…人間とは友達になれない…」