「はい、そこまで。」



あたしは結平の口を手でふさぐ。



「あたしはそんな軽い女じゃないから。



   好きでもない人とキスなんて


   ありえない。」


まして、結平とキスだなんて・・


絶対ありえないんだから。



「じゃあ、俺のこと好きになったら



  キスしてくれるんだ?」



「絶対好きになるなんてありえないから。


   軽いしチャラいし、そういうの大っ嫌い。」



あたしはあきれて、


結平の手を振りほどいて


教室に戻ろうとする。



「栞音っ!」