撮影の邪魔にならないように、

隅で撮影現場を見ていた。

・・・

あそこで演技してるのは、

間違いなく、

雄哉なんだよね?

・・・

赤ちゃんだった雄哉が、

いつの間にか歩くようになり、

保育園に行くようになり、

そして、今は小学6年生。

・・・

時の流れはなんて早いんだろう。

・・・

まるで別人にでもなったかのような

我が子を見つめながら、

ため息をついた。

「お疲れのようですね?

大丈夫ですか?」

・・・

声を掛けられ、

私はその人を見つめた。

「大丈夫です。

自分の子供が

こんなに大きくなったんだって

思って、

物思いにふけっていただけなんです」