「見たまんまでいいから」

たまにカップルにみえるけど
いつもならな・・・

「上手く言えないけど、カップルには見えないぞ」

「へー、やっぱりそうなんだ」

準は笑いながら言った
なぜ笑ってる?

「何が面白いんだ?」

俺は不思議でたまらない

「面白くない?付き合ってるのに彼氏彼女に見えないって」

俺は少しカチンときた
あまりにも五十嵐さんがかわいそうだ
あんなにも準が好きなのに

「準、お前それはさすがにひどいぞ」

「なんで?」

準は俺を見ないでずっとミシンを掛ける

「お前、五十嵐さんとちゃんと付き合えよ
 できないなら別れろ」

準はミシンを止めてやっと俺を見た

俺は準の隣に座った
子供を叱るように言った

「五十嵐さんお前の事すごく好きなんだぜ。
 無理にとは言わないけど、ちゃんと優しくしてやれ」

準は俺から目をそらし
下を見た

「だってさ・・・」