「おい。変態。」


「あだっ」



ただいま友達に本の角で頭殴られました。
わたくし北條梨華子と申します。


「私、変態じゃありませんけど?」



つか本の角はいたい。しかもそれ広●苑じゃないか。軽く人殺せるじゃないか。


そして私はたぶん変態じゃないと思う。




「だってただ彼の行動を書き留めてるだけだもの」


「そこが変態なんだよ。なんだお前は。ストーカーか。あるいは不審者か。」


失礼な。これはある意味求愛行動だ。


【彼】というのは、4月に高校入学して、一目惚れしたあの人のこと。
私が派手に転んだあの時だ。




私は、ごく平凡な女だった。勉強だって並だし、運動だって出来るわけじゃない。
まあたまにからかってくる男子にドロップキックかましたりするが。



だから少しでも目立ちたくて、少しばかり頭の良くて有名な高校に頑張って入った。


設備とかも一流で、金持ち学校みたいだった。
でも実際は公立だから中はすごくてもさすがに迷うほど広くはないと思っていた。


が、予想は大ハズレ。


なんだよこの学校は。
城か。城なのか。


入学直後、早速迷子になった。
迷子になる学校ってなんなんだ。ギネス載せるぞ。


「・・・あれー・・・この場所さっきも通った・・・。」



歩き続けて途方に暮れていたら、


ガッシャーン!
という効果音がついてもいいぐらいに派手な転び方をした。
技にして習得したらテレビ出よう。



「いったぁ・・・」


「ちょ、大丈夫か?」


そんなとき、彼に出会った。