もしかして二度寝?と思っていたら、彼の細い右腕が動いた。


「え?何??」


だらりと差し出された右手に戸惑っていると、


「…メ…ガネ……」


彼は眠たそうに言いながら、もう一方の手で髪をかき分ける。


「あぁ…眼鏡ね…ハイ」


私は周りを見渡して、ベッドの脇のテ-ブルに置いてあった眼鏡を取って彼に手渡した。


彼はゆっくりと起き上がって、渡された黒縁眼鏡を掛ける。


更に欠伸ひとつと一呼吸置いて


「さて…今日は…何をしましょーか?」


と、首を傾げた。


眼鏡の奥の瞳はまだ眠たそうだった。