「し・・たよ・・・。」
「はあ!?なんつった?!聞こえねーよ。」
「キス!・・・したじゃん。あたしに。覚えて・・・ないの・・?」
「はあ!?そんなことした覚えねーけど。夢だって言っただろ。」
「その夢、絶対違う。あたし、されたもん。桜崎くんにキス。
ふざけないでよ。嫌だったとかじゃなくて、ずっとあたし、気にしてたんだよ。
覚えてるのかな?って。覚えてないんだね。」
「悪い。覚えてない。したことも記憶にない。」
「そうなんだね。やっぱ覚えてないよね。いいよ別に。」
「お前さ、俺のこと好きなんだろ!?俺、ずっと思ってたんだよね。
お見舞いに来てくれたし。」
「それは・・・。」
どうしよう、ホントの気持ち伝えたほうがいいのかな?
でも・・・
「・・・。す・・・好きなの。」
あ━━━━!!何言ってんだあたしは!!!!
「はあ?!」
「好き。桜崎くんのこと。でも、付き合うとかは本当にいいの。
友達としてで結構だから。あっ!ごめん、変なこと言って。
気にしなくていいから。気持ちだけ伝えてあとは、こんな、モヤモヤしてる1日なんて
たえられない・・・。だから、気持ちだけ・・・あたしの気持ちだけ、受け取ってね。」
「お前・・・。」
「さよなら!」
なんか、涙が出てきた。なんで・・・きっと、感情的になりすぎた。
あたし、なんてこと言ったんだろ・・・。
あたしはそれだけ伝え、帰ろうとしたその時、
ガシッ!
あたしの腕を掴んできた桜崎君。
「何!?はなして!?」
と言い、腕を思いっきり振り払い、あたしは去った。
だって、そこにずっと居たくなかったから。
気持ちはもう伝えたよ。これで、モヤモヤも消えるかな?
でもなんで、あんなこと言ったんだろうね。あたし。
あたしの初めての告白、そして、好きな人になった。