「…先生、今すぐここから避難させてください」

「広瀬、まさか…」

「いいから!!」

先生は勘付いたみたいだ。
俺は昔から何一つ変わってなんかない。
話し合いで解決できるほど頭なんかよくない。

「おーおー、かっこいいねぇ会長さん。さすが会長だねぇ。これで客にケガとかさせたら事件だよねぇ」

なんなんだこいつは。
いちいちバカにしたように言いやがって。

「先生、早く避難させてください!!藤本!!!」

「はっはい。みなさん、避難お願いします」

「…はいそうですか、って言うわけねぇだろ!」

そう言って客に襲い掛かる。
Σドスッ
「…いい加減にしろよ」

もう我慢の限界だった。
金属バットを腕で止め、そのままへし折った。

「なっ…」

唖然とする不良共。

「さっきから大人しくしてれば、調子に乗りやがって…」

「うるせぇぇぇぇ!!!」

Σドスッ
殴りかかってきた金属バットをまた腕で止めた。

「藤本!!!早く避難させろ…早く!!」

「でも、腕…」

「俺なら大丈夫だから。早く客を避難させてくれ。ケガ人出すわけにいかないだろ?」

「わかりました…。みなさん、避難してください」

藤本の声に従ってぞろぞろと避難していく。
先生も協力しているようだ。