つよがり姫に振り回されて

慰めようとすれば、会長モードになってしまうし、下手になにか言うと泣かしちゃいそうだし…
もうどうしたらいいのやら。

「…きゃーーーーーー」

どうにかしようにも、こうやって叫ばれてしまうと何もできない…

Σぎゅぅ…

今はこうやって手を繋ぐことだけ。
それだけ。

「梨沙、もうじきゴールだ。だからもう大丈夫だ」

「うん…」

自分で入りたいと言ったのに、今じゃこの有様。
でも、またいつもと違う梨沙をみることができた。
だからよしとしよう。

俺は梨沙の手を強く握ってゴールへ向かった。