つよがり姫に振り回されて

まだまだ続く薄暗い廊下。
おどかされる度に叫ぶ梨沙。
そんなに叫んで大丈夫なのか?

梨沙の顔をみると、涙目。
めちゃくちゃ溜め込んだ涙。
今にも零れてしまいそうで…

「大丈「大丈夫だっ」

食い気味に答える。

「そっそうか」

全くそういう風に見えないんだけどな(笑)
意地だけでゴールを目指してる気がする。

「きっ貴様は怖くないのか?」

若干震えた声で話しかけてきた。

「別に。びっくりはするけど、梨沙ほどじゃねぇよ」

「そっそうか」

会話が途絶える。
多分梨沙は、怖いのをどうにか紛らわそうとしたのだろう。
あいにく俺は話し下手だからな。
話が続くわけがない。