つよがり姫に振り回されて

「美味い…」

「ここの夏祭りは他とは違って、屋台の人たちは本気だからな。毎年、屋台コンテストを行っているそうだよ」

「へぇ~。すげーな」

「それだけ、みんなにおいしいものを食べてもらいたいって思ってるんだろうな」

そんなことまでしてるんだ…
全然知らなかった。
つか、梨沙に巻き込まれてなかったら夏祭りになんか参加してなかったな(笑)



「…みんな来ないな」

「そうだな。まぁお化け屋敷繁盛してたみたいだからな」

食べてから30分以上居るのだが、誰一人としてここに来ない。

「そうなのか?そんなに人気かっ」

はしゃぐ梨沙。

「あんまり無理されてもあれだし、ちょっと連絡してくる」

「あぁ」

事務室を出て、廊下で電話を掛ける。
同じ学年の山本君。奴は多分お化け役じゃないから出るだろう。

TRRR…TRRR…

Σガチャ「ん?何?」

「そっちはどうだ?繁盛してるか?」

「もう大盛況だよ」

「そうか。お前ら、少しは休憩したらどうだ?ずっとやってるだろう」

「そうだね。そろそろ休憩しないとだよな。わかった、みんなに伝えておくよ」

「あぁ。あっ俺がそっち出向いてくよ。差し入れいっぱいあるし」

「わかった。じゃあ待ってるよ」

「あぁ」Σガチャン