つよがり姫に振り回されて

「ママ?…ママ!!!」

そうたのママらしき人が駆け寄ってきた。
そうたが反応しているということは、母親なのだろう。

Σぎゅっ
「颯太!…もう、心配したんだから」

「ごめんなさいっ」

無事に親子再会。
そうたに笑顔が戻った。

「…ホントすみませんでした。ほらっ、颯太も謝りなさい」

「ごめんなさい…」

「もういいさ。それにそうた、泣かずにいられたじゃないか。偉いぞっ」

「颯太…泣かなかったの?あの泣き虫の颯太が?まぁ(笑)」

「僕、もう、すぐ泣いたりしないよ。男はすぐ泣いちゃダメなんだもんね」

「そうだぞ。どうしてもって時しか泣いちゃダメなんだから」

「あらあら。そんな大人になったの?…ほんとウチの颯太がご迷惑を。ありがとうございました。…じゃあ行こっか」

「うん。お兄ちゃん、ありがとう」

「もうはぐれるなよ」

大きく手を振るそうたを見送った。