Σピンポンパンポン~♫
「迷子のお知らせです。オレンジのTシャツに短パン、5歳のそうたくんがお母様をお探しになられています。至急、事務局までお願いします」
Σピンポンパンポン~♫
迷子センターがあるの忘れてた(笑)
でもまぁこれで直にそうたのママがくるだろう。
「そうた!これでママが迎えに来るからな」
「ホント!?」
一気に笑顔になる。
「あぁ。…疲れたろ?これやるよ」
さっき見回りでもらった綿あめ。
どうせ食うなら、こいつが食った方がいいだろう。
「いいの?」
「あぁ。兄ちゃんは、あとで食べたかったら食べるから」
「ありがとう。わーい」
嬉しそうに袋を開けて食べはじめた。
「美味いか?」
「うんっ、美味しい。…お兄ちゃん、お兄ちゃんもどうぞ」
そうたが綿あめをちぎって渡してくれた。
「そっか、ありがとう」
食べた。
…甘い。
「美味しい?」
「あぁ、美味かった」
「良かったぁ」
満円の笑み。
つられて周りも笑顔になる。
「…颯太!!」

