泡沫眼角-ウタカタメカド-


プッ!!
曲がってきた車の短いクラクション。

「どひゃあっ!!」

ズダダッという重い足音の後、トシオは近くの電信柱の裏に隠れた。


………はい?


攻撃を受けるつもりで見ていた炯斗も、呆れ半分で眺めていた言乃と恵も、目が点になる。


「トシオって、あんなに早く動けたのか……」

「っていうか、何事なの?」


顔を見合せ、傾げる三人。
視線の先には怯えた兎よろしく、縮こまったトシオがいるのみ。


「ハッハハ! ホントに車ダメんなったな、お前!」

快活な笑い声と共に、クラクションを鳴らした車のドアが開き、白い姿が現れた。

「あっ、」

「狭間さん!!」

炯斗と、トシオ切実な抗議をあげるのがほぼ同時。

白い姿は、一瞬目を開いて――


「炯斗!! 久しぶりだなぁ!!」

「奏兄!! マジでか、超久しぶり!」

嬉しそうな声でトシオに痛いスルーをかました。