数分後
「どうだっ!」
言乃に言われて、慌てて髪の毛だけはセットしてもう一度玄関に飛び出す炯斗。
「あー! うん、いつもの炯斗だ!」
恵の隣で言乃も頷いて、内心でよし! と。
一房、ワックスにかからなかった髪を押し上げ、疑問に思ったことを聞いてみた。
「いや、声が聞こえた時は驚いたぜ? 何でこんなところにいるの?」
「トシオくんについてきたっていうか…つれて来られたっていうか……」
恵は少しばつが悪そうにソロリと後ろを振り向く。
視線の先には太く暑苦しい人間。
「トシオ、てめえかコンニャロ」
「えっ! いや何もしてないよ!」
「何てめえが二人をつれ回してんだ! ってんだ!」
ゲシッ!
とやると丸い体は上手く転がる。
「いや、これには訳があってだね――」
「知るか。どうせお前の都合だろ!」
「そんな横暴だっ!」
起き上がりこぶしの如く転がって起き上がるトシオ。
「この、日奈山!!」
小さな目を細めるとやり返しとばかりにトシオは炯斗に掴みかかった。
その時――


