泡沫眼角-ウタカタメカド-

* * *


──兄ちゃんとの出会いはなんだったっけ?

──ああ、そうだ小3のときに…
    俺が兄ちゃんの家の木にサッカーボールひっかけたんだった──


炯斗は目を開けて思う。
何でこんなこと思い出したんだっけ、と。

視線を上げればその先にいるのは、一人の男・ファントム。

場所はまた精神世界。あの街だ。
今までと少し違うのは、どこかの家のリビングで二人とも椅子に座っているということ。
そこで炯斗は問われたのだ。

『お前にとって奏とはどんな人間だ?』

そんなこと改めて考えたことのなかった炯斗は、彼との思い出をじっくり反芻していたというわけだ。


「奏兄ちゃんか…兄ちゃんなぁ…」

それよりも何故そんなことを聞かれるのかということの方が余程気になるが、今までこのファントムにまともに質問に応じてもらったことがない。
仕方なく、真面目に考えているという訳なのだが…。


炯斗にとって、隣人であり、友であり、それから──