泡沫眼角-ウタカタメカド-


【ファントムという言葉が幾度も登場する今回の事件です。原因はファントムにあると思ったのでファントムに当たりそうな人物を調べていたら、彼に当たったのです】

「…へぇ」

信じていない。そんな声色の朋恵の目を見れず恵は身をすくめる。

警察でもその意味を図りかねている“ファントム”の意味。
それを一般の人間が推理し、事件に関わっていそうな人物を挙げていることに、朋恵と高橋は疑念を感じざるを得ない。

──すでに死んでいる人物で、比津次にも禅在にもかかわっている、まさに幽霊ともいえる人物であるだけに、僕は無視することは出来ない

すでに、ファントムの正体と勲の関係に心動いている高橋は朋恵をちらりと見る。
もっとも、高橋がそれ以上に知りたいのは言乃たちの山の張り方だ。

──こないだの離島事件も含めて、あの子たちはどうしてか真相に関係ありそうなことを掘り出してくる。一体、どうやって…?

そして、高橋の好奇心駆り立てる疑念はもちろん朋恵にあるものだ。
自覚しているからこそ、言乃と恵たちの話は、一考の価値があるとわかっている。

朋恵は大きく息を吐いた。

「わかった。ありがとう。また日奈山から連絡があったら伝えるわ」

【ありがとうございます】

「君たちも、また何か気づいたことがあったら僕に伝えてね。ああ、それと屋代さん」


立ち上がりかけた言乃が高橋に顔を向ける。