泡沫眼角-ウタカタメカド-


お茶が気管に入ってゲホゲホと咳き込む恵。
この驚きは当然だ。ここ数日連絡がなかったばかりか犯罪に手を染めているというニュースまで出回る始末。
極め付けにはファントムに乗っ取られているところを言乃に見せつけることまで。
そのまま足跡が途絶えた炯斗から、連絡とは。

「一体、どんな!」

「まあ、まずは落ち着いて。それでしっかり聞いて頂戴。連絡があったのは本日未明で、日奈山はとりあえず無事よ。そして、私たちに一つ情報を残していったわ」

【それはどのような?】

「日奈山くんは、隣の県のとある場所に白骨死体が埋められていると僕たちに話した。僕たちが行くわけにはいかないから、県警に連絡したら、彼の言う通り、遺体が発見されたんだ」

二人の顔が一気に青ざめた。
無事とはいえ、死体を発見したなどとは。

「その遺体の人物は狭間 勲。丁度あなたたちが教えてくれたのと同じ人物だったわ。八年前に行方不明のまま、失踪して七年たってるからもう世間的には故人扱いだけど、本当に死んでるとはね」

「そしてもちろん僕らは彼を調べた。比津次会の長である狭間 治の長子にして…」


【現在、会を動かしている狭間 奏さんの実の兄ですよね】



言乃の示した文字を、二人は感心したように見つめた。


【午前中、ちょうど比津次会にお邪魔していたんです。治さんの奥さんであった方にお会いしてお話を聞いてきたところです】