泡沫眼角-ウタカタメカド-

その時、食事が運ばれて来たので一旦話は中断した。

フォークを取ろうと、恵と黒羽の手が当たると黒羽は恐ろしい勢いで手を引っ込めた。

「ご、ごめんなさい…」

「いや、俺が悪い…」

「……」


妙な間が流れる。
ふと思って言乃は携帯を取る。


【黒羽さんは女性が苦手なんですか?】

「ななっ!? いや、そういう訳じゃなくて、さ。触るのが…」

「スキンシップがダメなの?」

「……ああ」

黒羽は、真っ赤になって頷いた。

ああ、それでさっきの反応だったんですか

ようやく、言乃は何が問題だったか一人で手を叩いたとか。


「組で働くのって、危なくないの?」

「俺は子飼いっつう、組員より一つ下みたいなもんだからそうでも」

恵は驚いて口に運ぶフォークの手を止める。

「そういうのにも段階なんてあるの?」

「はっきり規定とかされてる訳じゃないけどな。ただ…」

「?」