泡沫眼角-ウタカタメカド-


「で、何が聞きたいんだよ?」

黒羽はむっすーと頬を膨らませ、頬杖をつきながら横目で聞いた。

「…機嫌直して下さいよ…」

苦笑いしながら恵が言うと、黒羽は鼻を鳴らした。


「うるさい。俺の純情を弄んだ癖に」

【…ごめんなさい】


無自覚とはいえ、傷付けてしまったと、言乃はガックリとした様子。
それを見て、黒羽は少しばつが悪そうに頬をいじりながら言った。


「…まぁ、もういいよ。仕方ないし」

【すみません。では早速。
八年前に起きたという抗争について聞きたいのですが】


黒羽は大きく唸って、頭を振る。

「悪いけど、あんまりよく知らないんだよ…俺、その時にはまだガキだったから」

【失礼ですが、お年は?】

「俺? まだ二十歳」


それを聞いて言乃と恵は顔を見合わせた。

「年、タメだったんですね!」

「んじゃ、敬語なしでいいぜ」

ずっと黒羽を警戒し続けていた恵の雰囲気が、少し和らいだ。

「じゃあそうします!」