泡沫眼角-ウタカタメカド-


「で、お前らはこんなところでどうしたんだ?」

【ファントムについて調べてるんです】

「こんなところで?」


黒羽は眉をひそめ図書館を見上げた。
ファントムなんてものが、こんなところに情報があるとは思えないらしい。


「はい。それで、今はお昼に行こうとしたところなんですよ」

「へぇ、お疲れ様だな」

そのまま黒羽は手を上げて、立ち去ろうとした。
――ガシッ


「あ?」

言乃が、黒羽の上げた手を掴んで彼に携帯を突き付ける。

【黒羽さん、お昼まだですよね? 良かったら、ご一緒しませんか?】

「え、えぇ?」

困惑。
そして、言乃に掴まれた辺りから、黒羽の色がだんだんと変わる。

言乃は掴んだ手に力を込め、ギュッと。

「あ、あの…いや…その」

【どうか、お願いします】

黒羽は、淡いピンクから濃く、赤い色へ。そして――

――ボンッ!

顔から湯気がもうもうと上がり、よくわからないまま、頷いていた。



「……え、何これ。どういう状況?」


言乃の画面が見えない恵は、置いていかれる他なかった。