泡沫眼角-ウタカタメカド-


そして通されたのは広い和室。
縦に細長い部屋の左右、壁際に一列ずつズラリと座る男たち。

ムッとするほどの迫力の中、言乃と恵は一人上座に座る奏の前に座るよう示される。


重たい空気。
恵は落ち着けない気分で畳に敷かれた座布団の上に正座した。


「単刀直入に聞こう。何を知ってる?」

言乃は、申し訳なさそうに恵を見た。
全員に伝えるには、恵に話してもらうしかない。


泣きたい気分で頷くと恵は警察の手伝いをした経緯と、そこで起きただろう事件、そして炯斗の失踪についてをかいつまんで話した。


「あんたらを連れてきた三人によると、うちの人間で連絡が取れなくなっているのは一人。そいつは、地下駐車場で待機していた」

「残念ながら、被害者はその方だと思われます」

実際に現場をみていない恵は言乃の携帯の文面をそのまま語る。
次の文章を見たとたんにハッと表情を強張らせた。

「そして…その人の側には、『二人目 ファントム』と血で…」

ざわっと部屋にどよめきが走る。