陰陽姫 夜明けを見るものたち



翠サイド


紫「翠ー!!」

遠くで呼ぶ声に振り返ると紫苑が慌てたように走ってきた。

翠「紫苑?」

拓「あれ?あいつ大丈夫なの?」

紫「ハァ…ハァ…ハァ…追い…ついた…」

蓮「紫苑君、どうしたの?」

追い付いた紫苑は崩れるように座り込みそうになったが白棹がそれを支えた。

白【…傷に障るというに、走ってくるとはよっぽどの事があったか?】

紫「蒼希を…蒼希を助けて…!」

翠「…何かあった?」

昨夜と違い随分と必死な様子に眉を潜める。

翠「紫苑、少し落ち着いて。ちゃんと聞くさかい、話してみ?」

紫「…実は」

翠のゆっくりとした口調に落ち着きを取り戻した紫苑は先程感じた違和感を話す。